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 個人の尊厳が尊重される政治をめざす「市民連合」が、未来の展望を立憲4党にじっくり聞く対話企画で、日本共産党の小池晃書記局長と吉良よし子参院議員へのインタビューをホームページに掲載し、反響を広げています。衆院選にむけ市民と野党との共闘をどうすすめていくか。「立憲4党と語る、これからの日本」がタイトルの第2弾。ジャーナリストの津田大介さんと、「市民連合みえ」呼びかけ人の岡歩美さんの問いかけに、小池さんは時おり腕を組み、考えをしぼりながら答え、吉良さんはキリッとした表情や笑顔で、共産党員としての初心をまじえ語りました。

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津田さん(右)と岡さん

 「さっそくですが」と、津田さんは共産党へのイメージを話題にしました。

 岡さんは、「堅苦しく、デザインが少し古い」、怖いというイメージも、と思いついた言葉を並べました。さらに岡さんは「共産党に入って、普段なにをしているのか気になる」。津田さんは、いつから党に入ったのと疑問を口にしました。


発言する小池書記局長

 吉良さんは、戦争中も戦争に反対と言っていた人たちがいたと親に教えてもらった、それが共産党だった、と答え、自分が党に入るときは「相当悩みましたが、人生いろいろ」と笑いを交え語りました。入党後の活動は、週一回の支部会議で就活中の愚痴をもらし、苦労の原因を考えることで社会を変えていく議論ができたと紹介。「そういう話し合いの中で生き方の芯を持てた。それが党に入ってよかったと思うところ」と初心を振り返りました。


発言する吉良参院議員

 小池さんは、高校生のとき平和の問題を考えはじめ、共産党に近づいたことに触れました。「議員を目指して入ってくる人はいません。私もそうでした。共産党に入るのは『生き方』の問題なんです。どういう医者になるのか。共産党員になって病気や貧困に苦しんでいる人々のために生きていこうと思った」と原点を語りました。

市民連合「立憲4党と語る、これからの日本 日本共産党編」の記事アドレスは次の通り。http://shiminrengo.com/archives/1672

 目指す先

 小池 共産党は真面目な集団。真剣に社会や仲間たちのことを考えます。

 津田 共産党は少しずつ時代に合わせイメージを変えようとしていますね。その先に何を目指しているのでしょうか。


 共産党の素顔、生の姿を聞き出した4人の対話から、政治の現実にどう立ち向かうのか議論になりました。


 外交と経済の現実を特徴づけた小池さん。対米従属を断ち切って自分たちで外交を判断する国にする必要や、アメリカと肩を並べて戦争できる国になろうとしている危険を食い止めることが、日本外交で重要と強調しました。経済は、大企業は大もうけ、一方で貧困と格差は拡大し中間層が疲弊している問題を語り、この問題は「資本主義の仕組みのもとでも、きちんとしたルールをつくればかなり改善できる」と打開の視点を示しました。

 津田さんは、共産党はずっと労働者の権利を守ってきたと注目しました。

 安倍政権による「働き方改革」について、吉良さんは「労働法規制の枠外にでる人を増やそうとしているのが、いまの政治のやり方」と批判しました。小池さんは「安倍政権のやっていることは『働かせ方改革』だ。(政府の)改革実現会議のメンバーは財界代表が7人に対し、労働者代表はI人だけだ」と指摘しました。

 受け皿に

 労働者、国民の怒りに安倍政権は答えが出せない、だから野党や市民が答えを出していかなくてはならないと、問題を提起した小池さん。津田さんは「野党は受け皿になりきれていない」と率直な疑問をぶつけました。

 これに答えた2人。

 小池 安倍政権の支持率が下がらない最大の理由は、安倍政権に代わるイメージを野党が示せてないことにある。野党が責任を持って、安倍政権とは違う政治の選択肢があるのだということを、野党共闘によって見せていく必要がある。いろいろな問題を、市民とたたかい、学びあいながら政策をつくることができ始めている。

 吉良 共産党員は常に国民が声を上げる運動の場にいます。そこでの声を政治の場に届けることが習慣になっています。


 安倍政権とたたかう力として野党共闘の意義を語った小池さん。津田さんは「共産党にとって、野党共闘は大きな転換ですよね」と相づちを打ちました。


小池さんは、″全国レベルでは(政党間で)国政選挙の協力はやらない″という方針でやってきたから、「大転換ですよ」と応じました。それを変えたのは「全国的に広がった市民の運動の影響が大きい」と強調。「昔から頑張ってきた共産党員の皆さんが、若者たちが街頭や国会前に出てきたことに感激しちゃったんです」とも語りました。

 岡さんは、参院選の三重選挙区の経験を当事者として振り返りました。「最初は、民進党が共産党とは一緒にやらないと言っていて、大変でした。でも共産党は電話10万本をかけるなど、下支えをしていました」

 野党共闘の前進で政治をどう変えていくのか。吉良さんは「国民目線が欠けている政治を変えたい」と語りました。国会議員となってから政治へ直接働きかけるなか、ブラック企業問題で大きな動きがあったことや、クローズアップされるようになった給付型奨学金にも触れました。

 理想示す

 しかし「共産党は高い理想を掲げ、その理想は素晴らしいが、現実にはできないのではと考える有権者がたくさんいる」と津田さん。そういう人たちに共産党の訴えは届くのかとのべ、2人に答えを求めました。

 小池さんは「安倍政権はありとあらゆる手段でウソとごまかしをやっている。通用しなくなったところでは野党が勝っている。僕らの課題はそのごまかしをあばくこと」と表明。新基地建設反対の明確な民意が示されて沖縄県選出の自民党議員が1人もいなくなったこと、福島でも自民党の現職大臣が落選していると語りました。

 吉良さんも語りました。

 「現実を見ろというのは、わかる。しかし原発ありがいいか、無しがいいか。戦争か平和か。学費は無償か有償か。答えは明らかだと思う。人間には社会をよくしたいという要求や理想がある。そういう訴えはもっとあるはず。国民の皆さんはもっと理想を出してほしい。声をあげてほしい。答えられるよう努力して政策をつくります。一緒に変えましょう」

(「しんぶん赤旗」5月19日付より)


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